いつもと違ったオンライン授業、勉強会、研修を開催したい人は、電子書籍「新しいTeams会議のしくみ」をご一読下さい。
本の紹介
新しくなったTeams会議の基本から応用までを沢山の画像を使って説明しています。
開催者、発表者、出席者を理解することで、Teams会議の新機能を使って会議を円滑に行うことができます。
目的に合わせた会議、Microsoft365のアプリケーション(SharePoint,Lists,Stream,Forms,Teams)を連携させた簡単に作れて、本格的な仕組みを作ることも可能です。
この記事では、Microsoft365のアプリケーションを複数使ってできる自動化された仕組みを説明します。
本記事の内容
- Teamsの録画の問題点
- 登録のしくみ
- フローを作成
この記事を書いた人
この記事を書いている私は、手順通りにMicrosoft365のアプリケーションを覚えることができる電子書籍をKindle出版しています。
Teamsの録画の問題点
Teams会議の録画は、Streamにアップロードする権限を持っている人が、レコーディングを開始するとStreamにアップロードされ、それ以外は、20日以内のダウンロードになります。
今後StreamからOneDriveとSharePointに変更になることが発表されていて、現在展開中です。
Zoomには、ウェビナー終了後にオンデマンド配信で登録(視聴した人がわかる)しくみが用意されていますが、Teamsにはありません。
もちろん、Teamsライブイベントを使えば、誰が視聴したか分かりますが、通常のTeams会議では分かりません。
問題点は、3つあります。
- Streamは、視聴数しかわからない
- Streamは、自動共有できない
- 参加者も録画される
この方法は、組織内の方法になります。
Streamは、視聴数のみ
Streamにアップロードした動画は、視聴数のみ表示されます。
視聴数は、1人が何度見ても増えません。
視聴がどこで終わったかの分析があるといいのですが、そこまでの機能はありません。
Streamは、自動共有できない
Power AutomateのコネクタにStreamは、ありません。
もし動画を共有したければ、社内全員誰でも見れるようにしておくか、ユーザー、チャネル、グループを追加する必要があります。
参加者も録画される
録画を見れば分かると思いますが、スライドショーと発表者だけ録画されてほしいのに、参加者が表示されてしまいます。
こういう場合は、編集ソフトを使って簡単に編集できます。
スライドをトリミング
発表者をトリミング
動画を並べる
出力する
16:9のプレゼン資料の場合は、黒い部分が多くなるので気になる人は、PowerPointを4:3で作成すると丁度良くなります。
登録のしくみ
ここからオンデマンド配信の登録ができる仕組みをMicrosoft365のアプリケーションで作っていきます。
使うアプリケーションは、3つです。
- SharePoint(ドキュメント ライブラリ)
- Forms
- Power Automate(自動フロー)
Power Automateでフローを作成する前に、SharePointのドキュメントライブラリに動画をアップロードしてFormsで登録フォームを作ります。
SharePointに動画をアップロード
所有者になっているSharePointドキュメント ライブラリに動画をアップロードします。
SharePointのドキュメントライブラリに権限が付いている人は全て見れてしまうので、ファイルの権限を削除することも忘れないようにします。
SharePointドキュメントライブラリ
step
1動画をアップロード
①ドキュメントライブラリに動画をアップロード。
step
2共有を停止
②ファイルを選択したら、「共有」→三点リーダー「・・・」→「アクセス許可の管理」をクリック。
③「メンバー」「閲覧者」の「V」→「共有を停止」→「削除」をクリック。
※共有の停止が必要なければ、必要ありません。
step
3IDを表示
④「名前」→「列の設定」→「列の表示/非表示」をクリック。
⑤右側に表示された[ビューの列の編集]の「ID」にチェックし、「適用」をクリック。
step
4IDを確認
⑥IDは、PowerAutomateでIDを入力するので覚えておく。
※非表示に戻してもOK。別のファイルをアップロードするとIDは、増えていきます。
※IDは、好きな番号に変更することは出来ません。
Formsで登録フォームを作成
フォームの作り方は、複数ありますが、視聴を始めた時間をいつでも確認できるようにOneDriveから作成します。
ShrePointのドキュメントライブラリにもチームサイトなら作成することができます。(説明は同じです。)
Forms登録フォームを作成
step
1OneDriveを開く
①OneDriveを開き、左上の「+新規」→「Excel用Forms」をクリック。
②『ファイル名』を入力し、「作成」をクリック。
step
2質問を追加
③「+新規追加」→「選択肢」をクリック。
④質問に『視聴を開始しますか?』と入力し、オプション1に『はい」を入力。
⑤オプション2の選択肢は、「ゴミ箱のマーク」で削除。
⑥「必須」にチェック。
step
3設定
⑦右上の三点リーダー「・・・」→「お礼のメッセージをカスタマイズ」にチェック。
⑧[回答が送信されました。]を削除し、SharePointのドキュメントライブラリにアップロードした動画の「リンクをコピー」して貼り付ける。
※リンクをコピーは、ファイルを選択して「リンクをコピー」します。
※リンクをコピーして貼り付けるとエンコードされているので、デコードすると分かりやすい。https://tech-unlimited.com/urlencode.html
※デコードする場合は、ファイル名にスペースが無いことを確認して下さい。リンクになりません。
step
4共有
⑨右上の「共有」→「コピー」をクリック。
URLの場合は、メールやチャットで送信するか、SharePointリストに作った勉強会スケジュールにハイパーリンクで追加します。
SharePointリストに作った勉強会スケジュールについては、電子書籍「新しいTeams会議のしくみ」をご一読下さい。
step
5送信
⑩フォームにアナウンスを入れてわかりやすくします。
step
6視聴
⑪送信するとURLが表示するので、クリックするだけで再生が開始するというしくみです。
社外でも会社名、部署名、メールアドレスなどを入れて送信したらリンクが表示するしくみは、簡単にできますが、このURLを転送されたら動画を見れてしまいます。
社内(組織内)であれば、このリンクを送っても共有していないので動画を見ることはできません。
フローを作成
フローで使うアプリケーションは、FormsとSharePointの2つです。
作成時間は、3分です。
フローの作成
- Forms:新しい応答が送信されるとき(トリガー)
- Forms:応答の詳細を取得する(アクション)
- SharePoint:アイテムまたはフォルダーへのアクセス権の付与(アクション)
組み合わせるとフォーム送信後に表示せずにOutlookでメール送信もできます。いろんなコネクターがあるので関連の記事をご覧ください。
-
Power Automateよく使うトリガー、アクション一覧表
続きを見る
Power Automate登録フォームのフローを作成
step
1Power Automateを開く
①Power Automateを開き、「+作成」→「自動化したクラウドフロー」をクリック。
②フロー名に『登録フロー』と入力し、「新しい応答が送信されるとき」→「作成」をクリック。
step
2トリガーの設定
③フォームIDに「フォームを選択」。
※SharePointのドキュメントライブラリに作成した場合は、カスタム値の入力でURLのFormId=の後をコピーして貼り付けます。
step
3アクションの設定
④「+新しいステップ」→コネクタとアクションを検索するに『応答の詳細を取得する』を入力し、Formsアクションの「応答の詳細を取得する」をクリック。
⑤フォームIDに「フォームを選択」。
⑥応答IDに[新しい応答が送信されるとき」の「ID」をクリック。
step
4アクションの設定
⑥「+新しいステップ」→コネクタとアクションを検索するに『アイテムまたはフォルダーへのアクセス権の付与』を入力し、SharePointアクションの「アイテムまたはフォルダーへのアクセス権の付与」をクリック。
⑦サイトアドレスに「サイト名」、リストまたはライブラリに「ライブラリ名」をクリック。
⑧IDに動画ファイルのID『半角数字』を入力。
⑨受信者にカーソルを入れると「両方の矢印マーク」が表示するので、クリックすると詳細設定モードになるので、[応答の詳細を取得する]から「Responder's Email」をクリック。
⑩ロールに「Can view」をクリック。
⑪「保存」をクリック。
文字のようにトリガーをアクションを組み合わせるだけで簡単に自動化できます。
文字で説明すると下記のようになります。
フォームが送信される時に、フォームの送信の詳細を取得して、SharePointドキュメントライブラリのID1の動画ファイルにフォーム送信者のアクセス権を閲覧で付ける。
テスト送信をしてみてください。自分のアカウントで送信すると権限はついているので別の人でテスト送信をします。
実行したフローを確認すると送信から2秒で権限が付きます。
視聴履歴は、FormからとOneDriveから確認できます。
作成したフォームからは、「応答」→「Excelで開く」でExcelシートにフォーム送信者が表示されます。(これが視聴者です。)
シートを追加してForm1から関数を使ってカウントすることで視聴数を自動でグラフ化することができます。
また、名簿を入れれば、こちらも関数で誰が視聴していないか一目瞭然です。
まとめ
今回は、Power Automateを使ったTeamsの録画をオンデマンド配信する方法【登録、視聴履歴】を説明しました。
フォームを使って送信者のメールアドレスを取得することで権限を付けるフローを作ることができます。
Zoomのオンデマンド配信は、登録フォームを作ることができますが、入力項目だけなので、自由に作ることはできません。
Formsを使えば登録以外にもアンケートやテストなどを視聴前に入れることができます。
Power Automateでメール送信も追加することで、視聴後にメールに来ているテストに再度答えるなんていうことも可能です。
アイデア次第で、オンラインでも勉強できる仕組みを構築できるので、考えてみて下さい。
Kindle Unlimitedを使ったことが無い方は、初回30日無料で読むことが出来ます。
>>「Power Automate活用術」を(初回30日無料)で読む
本の紹介
はじめて自動化する入門編の電子書籍です。プログラミングの知識が無くても、ノンコーディングで文字を組み合わせるように自動化ツールが作成できるアプリケーションです。また、スマートフォンを組み合わせて使用できることから、汎用性が高いアプリケーションです。
この電子書籍では、6つの自動化ツールを作ることができます。